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デザイン初心者に知ってほしい、お金をかけない学びのススメ

こんにちは。
猿払村企画政策課の“ちひろ”です。
今回は、広報担当5年目職員が教える『広報のウラ側シリーズ』第5弾です。

広報作成の裏側を知っていただき、違った視点で楽しんでいただければと思います。また、同じように広報紙の作成業務に携わっている方には参考になれば幸いです。

これまでの記事はマガジンにまとめてありますので、そちらもぜひご覧ください。


さて、今回は「広報の担当になったときまず何から勉強したのか」をみなさんにシェアしたいと思います。

私は、平成29年4月に広報担当の部署に異動してきました。
その時を振り返ってみると、異動して間もない4月に、毎月1回発行している広報紙の作成をすることに。編集ソフトの使い方もわからないまま、覚えながらとにかく決められた期日までに完成させられるように、夜遅くまで必死に作業をした記憶があります。

このように、私と同じような経験をした人は多いのではないでしょうか。

広報以外の用務をこなしながら、月1回の広報紙作成に追われて、終わったと思ったらまた次の月の作成…と、自治体の広報担当者は、とにかく大変だと思います。

勉強をしようにも、何を勉強すればいいのかわからない、決められた正解がないので何が良くて何が悪いのかピンとこない、そもそも勉強する時間がない…など様々な理由で、特に勉強はせずに、毎月ただこなすだけになってしまいがちです。

また、自治体職員は異動があり、いつか担当を離れると思うと、本を買うといったお金をかける勉強はためらう方もいるかと思います。

私も、広報担当になったばかりの頃は、本を買って勉強するというよりは、とにかくインターネットで検索しまくって、デザイン関係のサイトを見て勉強しました。

勉強に困っている方々に向けて、実際に私が参考にしていたサイトをご紹介します。


まずはデザインの基本知識を学ぶ


「伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン」

本サイトでは、資料作成に必要な情報デザインの基本ルールやテクニックを「読みやすく」「見やすく」「バリアフリー」の3つの項目にわけて紹介していきます。単に資料の見た目をよくすることではなく、情報デザインの普及とデザインリテラシーの底上げをすることを通じて、以下のことを目指します。
①情報受信者の負担を減らし円滑な科学コミュニケーションが行なわれること
②すべての情報発信者が過小評価される(見た目で損をする)ことなく、真に内容によって評価されるようになること
③より多くの情報受信者が等しく情報を得ることができるように情報授受のバリアフリー化をすること

こちらのサイトでは、デザインに関しての基本知識を学べます。

「フォント」「文字組み」「グラフと表」「画像と写真」「レイアウト」「配色」など、デザインの基本が網羅されていて、最初の学びにぴったりだと思います。

また、悪い例と良い例の画像が豊富で、文字で見るよりもイメージしやすかったです。


良いデザインをみて、デザインの目を鍛える


「広報コンクール」

全国広報コンクールは、地方自治体等の広報活動の向上に寄与することを目的に、各種広報作品について審査を行い、優秀団体を表彰するものです。当協会の主催により、1964(昭和39)年から実施しています。
当協会では、都道府県等の審査・推薦により提出された広報作品を審査し、特選・入選を決定。全国広報広聴研究大会で表彰します。

デザインを学ぼうと思って調べてみると、webや雑誌、ポスターなどの情報が多く出てきて、自治体広報紙のような縦書きの刊行物となると、参考にできるものはなかなかヒットしないと思います。

そこでおすすめしたいのが、「広報コンクール」の入選作品を見ることです。もちろん、評価されて“良い”とされたものなので、見るだけでも参考になります

デザインの面もそうですが、特集の組み方などの内容も素晴らしいものばかりで、どれだけ時間をかけたんだろう…と感心するばかりです。

入選数の多い「広報きくち(熊本県菊池市)」「広報みよし(埼玉県三芳町)」「広報うちこ(愛媛県内子町)」「広報せいよ(愛媛県西予市)」などは、どの号を見ても素敵です。

また、特集の組み方については、自分と同じ規模の自治体広報紙を見るのも参考になるのでおすすめです。


「Pinterest」

Pinterest(ピンタレスト)とは、自分の好きな写真や画像を自分専用のコルクボードにピン止めして、それをシェアできるサービスです。

アプリもありますが、ブラウザ上で見ることもできます。利用するには会員登録(無料)が必要です。

Googleの画像検索と比べると、検索して出てくるものは全然違って、Pinterestの方が、センスのあるものを見つけやすいです。

テレビCMが放送されたこともあり、名前は知っているという方は多いと思いますが、実際に使っている方は、まだ少ないのではないでしょうか。
使ってみると意外と簡単です。

私は、良いと思ったものを集めて「縦書きレイアウト」「インタビュー記事」など、自分だけのアイディアブックを作っています。


楽しく学ぶ

堅すぎないけど、ちゃんとした人に教えてもらってる感があり、情報が入ってきやすいハウツー型のサイトです。文章もわかりやすく面白いものが多いので取っつきやすいと思います。

「デザイン研究所」

フォローするだけでデザインを学べる✏️デザインの見る目を養うインスタアカウント
初心者から脱するデザインのポイント解説🎨

webサイトの他に、TwitterやInstagramのアカウントもあります。

webサイトは、カテゴリ別になったまとめ記事が多いです。

SNSでは、「初心者やノンデザイナーがやりがちなNGデザイン」「初心者ほど使ってしまう吹き出しのデザイン」など初心者にわかりやすいデザイン記事のほか、ショートカットキーやイラストレーターの小技などパソコンの操作に関する記事など、とにかく様々な情報がほぼ毎日発信されています。
投稿内容はサクッと読めるので、隙間時間におすすめです。


「サルワカ」

サルワカはあらゆることを分かりやすく解説するメディアです。何か分からないことがあったときはサルワカへどうぞ!

「サルでも分かる」と言っているだけあって、本当にわかりやすくて初心者におすすめです。また、webサイトのつくりが見やすくて好きです。

おしゃれな画像編集ができる便利なデザインツール「Canva」の使い方をかなり詳しく紹介してくれています。

また、「ゼロからのPhotoshopの使い方」は基本的な使い方をはじめ、レタッチや合成・加工のテクニックなどが説明されているので、初心者以外にもおすすめしたいです。


「ベーコンさんの世界ブログ」

発想力系デザイナーがデザイン・ブログ運営・フリーランスで生き抜く方法について書いています。

サイトを運営しているベーコンさんは、本も出版しています。

サイトはゆるい雰囲気で、実例を出してのデザイン解説やデザイン本のレビュー記事がたくさんあって、とても参考になります。

また、過去に作ったデザインを公開してくれていて、なんだか親近感がわいてきます。


「LIG」

web制作の会社ではありますが、ブログには「無料で商用利用可なフリーイラスト素材サイト33選」「Illustratorを使ったロゴデザインのテクニック」など参考になるものがたくさんあります。

誰が書いた記事なのかがわかるので、親しみやすいです。また、おもしろ系の記事も多いです。

まずは、人気のある殿堂記事から見るといいと思います。


PhotoshopやIllustratorを使いこなす

PhotoshopやIllustratorの使い方については、「このサイトを見て勉強する」というよりも、やっていく中で困ったときに「知りたいことを検索してヒットしたサイトを見る」ことがほとんどです。
検索さえすれば、大体誰かがやり方を教えてくれています。ありがたい。
なので、こちらに関しては、本を買う必要はまずないと思っています。

「Adobeチュートリアル」

https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/tutorials.html

https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/tutorials.html

https://helpx.adobe.com/jp/indesign/tutorials.html

初めて触れる時は、公式のチュートリアルを見るといいと思います。
InDesignことはじめ」では、実際のチラシの作り方を動画で紹介してくれています。動画を見ながら一緒に作業をすると、一通りの使い方を学べるようになっています。


本を買うともっと世界が広がる

お金をかけない勉強として、様々なサイトをご紹介しました。

ただ、勉強していくうちに、デザインって楽しい、奥が深い、もっと知りたいと感じた方は、ぜひ、本を買ってみてほしいです。

私は、「なるほどデザイン」という本を読んで、もっと早くから読んでおけばよかった…と思いました。

「なるほどデザイン」はデザインに関するものごとを、なるべく「目で見て楽しめる」形にまとめた本です。主にはデザインを良くするヒントが欲しい新人デザイナーの役に立つようにと考えて作りましたが、ある程度キャリアのある人にも、他方ではデザインを仕事にしていない人でも、「デザイン」に対して興味があるすべての人に、面白く読んで・見てもらえるような内容を目指しました。

難しい言葉がなく、説明はイラストや写真が多いので、とにかく読みやすいかったです。

デザインに興味を持ち、楽しいと思えるきっかけになるような1冊だと思います。初めて買う本としておすすめです。


また、自治体広報に特化すると、「パッと伝わる! 公務員のデザイン術」がおすすめです。

こちらは、埼玉県三芳町で、広報やプロモーションを担当していた佐久間智之さんの本。

「伝える」のではなく、「伝わる」デザインとはどのようなものか。デザインの解説だけでなく、実際に公務員として働いていた佐久間さんだからこそ語れる実体験も交えた公務員としてのマインドや極意も学べます。


まとめ

デザインの知識については、まずは今回ご紹介したようなサイトを見るといいです。

そこで、自分がもっと勉強したいと思えるようになったら書籍の購入を考えてみるといいと思います。

正直、デザインの知識に関しては、無料のwebサイトよりも有料の本のほうが得られる情報が多いと思います。

ただ、PhotoshopやIllustratorの使い方については、インターネットで調べたらすぐに出てきます。やり方がわからず、色々と試してみて時間をかけてしまうより、調べたほうが早いし身に付きます。

異動で広報の担当になったばかりの方は、悩むことが多いと思います。
この記事が、少しでもそういった方の手助けになると嬉しいです。