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猿払村を支えている水産業 ~日本一の水揚げ量を誇るホタテを紹介~

みなさんこんばんは。総務課まちづくり係の”たかはし まさや”です。
前回の記事で「猿払村に住んでいる有害鳥獣 ~元担当が紹介してみた~」を書きましたが、多くの方に見ていただくことができました!
本当にありがとうございます!

前回の記事は、こちらからご覧になれます👇

前回の記事でも話に出ておりましたが、私は5年7か月ほど産業課に在籍をしておりましたので、今回は、猿払村の基幹産業の一つである水産業の「ホタテ」について、紹介していきたいと思います。


1.どうやってホタテが有名になったの?

すでにご存知の方も多いと思いますが、猿払村はホタテの水揚げ量が日本一で有名な村です。
しかし、最初からホタテで有名だったわけではありません。現在に至るまでには、数多くの苦労と先人たちの努力がありました。
まずは、そこから紹介していきます。

開拓されたホタテの漁場

猿払村のホタテ漁は、明治30年代に石川県内灘町から人が入り、漁場が開拓されました。
時代が進むごとに漁業技術が進歩し、昭和12年以降からは記録的な大漁を示し、猿払村の地域経済を支える重要な資源として利用されていたそうです。

しかし、ホタテ資源に対する無関心から乱獲され、水揚げ量が徐々に減少。昭和29年を境にホタテは猿払村から姿を消し始め、昭和39年には資源が完全に枯渇。それ以降は、年間50~60トン程度しか獲ることができず、それ以上の漁獲は全面禁漁とされました。
その結果、「日本一貧しい村」と呼ばれており、村の存続すら危うい状況となってしまいました…。

猿払村と漁業協同組合による一世一代の大勝負

昭和45年に漁業協同組合は、関係機関へ「ホタテの増殖」に向けた取り組みへの協力を要請しました。調査の結果、ホタテの稚貝をまとまった数で放流すれば、ホタテ復活の可能性があることが分かりました。

そこで、村と漁協は協力して、昭和46年から昭和49年の4年間で漁場の造成とホタテの稚貝1億9400万粒を放流することを決定しました。
当時、漁業者は明日の食べ物にも困り、貯金を下ろしたくても漁協にお金がないため、1週間も待たされることがあったそうです。そのような中で、漁協は「ホタテ復活」のため、多くの人を説得して稚貝を購入しました。
また村も、昭和40年に7450人だった人口が、わずか5年で4818人まで減少。稚貝放流に当たり、当時の村の税収が4500万円ほどであったが、そのうち半分近くを稚貝放流事業に毎年負担することとなりました。
村も漁協も、本当に苦しい状況の中で稚貝放流を実施していたことが分かりますね。


昭和46年5月に稚貝放流が開始。生存率調査は思わしくない結果でしたが、4年後の昭和52年に9900トン、翌年は1万6千トンが水揚げされました。
まとまった数の稚貝を放流したことで、大量の天然貝が発生したことが、水揚げ量の増加につながりました。

その後は、順調にホタテが増え続け、徹底した資源管理により4万トン近くの水揚げ量を維持しています。
猿払村のホタテが有名になった背景には、先人たちの血のにじむような苦労と努力があったからこそ有名になったといえるでしょう

道の駅の前にある「いさりの碑」には、猿払の海を拓いた先人たちの苦労と偉業が記されている。


2.猿払村のホタテの特徴と加工品

さて、ここまででホタテの歴史について紹介しました。
ここからは”猿払村のホタテ”の特徴と、ホタテを使用した加工品について紹介します。

とにかくデカい!

まず目につくのはやはり大きさですね。
猿払村のホタテは4年貝です。4年貝とは、稚貝放流した4年後に水揚げしたホタテのことをいいます。
4年の年月をかけて育てたホタテならではの特徴ですね。

ほかでは味わえない触感!

4年間育てたホタテの肉厚さや触感は伊達ではありません。
実際に食べてみると、甘みがとても強く、口の中いっぱいに広がります。肉厚さからくるしっかりとした触感は、まさに別格です!

この大きさでしか味わえない触感は、一度食べたら病みつきです。

様々な味を楽しめる加工品の数々!

ホタテの水揚げ量が日本一ということもあり、ホタテの加工品の種類も多いです。
全部は載せきれないので、一部の加工品を紹介します。

①ソフトほたて貝柱


ホタテ本来の甘さを活かせるよう、塩水だけでボイル加工した柔らかく分厚い貝柱で、嚙めば嚙むほど旨みが出ます。
このソフトほたて貝柱、元プロレスラーの長州力さんが、テレビ番組「相席食堂」のロケで「食ってみな、飛ぶぞ!」と絶賛していたものです!
一つ一つ真空パックに入っているので、小分けで食べられる点も良いですね。お菓子感覚でお手軽に食べれるのもgoodです。

生ものが苦手な方も食べやすい味付けです。


②ホタテ干し貝柱

貝柱を塩だけで味付けし、約1か月間の天日干しをして、じっくりと乾燥させた干し貝柱です。手間と時間をかけたことで、味も栄養もぎゅっと詰まっています。
干し貝柱はそのまま食べても美味しいですが、お料理にも活用できます。
一例ですが、干し貝柱を水で戻すと出汁を取ることができますので、その出汁を使ってご飯を炊けば、あっという間に「ホタテ風味ご飯」の完成です。
そのまま食べてお酒のつまみにするも良し、料理に使うも良しのホタテ干し貝柱。ぜひ、いろいろな食べ方を試してほしいですね。

自然の力を活用した製法でしか味わえないつくりです。


③ホタテ餃子

ただでさえ歯ごたえがあるホタテを一玉まるまる使っているので、非常に食べ応えがある贅沢な一品となっています。
焼くと外はパリパリ、中には具とホタテがぎっしり詰まっており、噛めば勢いよく肉汁が飛び出し、口の中に味が広がります。
しっかりと味がついているため、ごはんとの相性も抜群。もちろん、晩酌のお供としても欠かせませんね。

中に入っている具は、全て北海道産のものを使用しています。
水餃子にしても美味しく味わえます。


ホタテをはじめ、上記の加工品は「ふるさと納税」の返礼品にもなっています。
少しでも猿払村のホタテに興味を持たれた方は、猿払村産でしか体験できないホタテの味を試してみてください!



今回はここまでにします。
猿払村の水産業は、今回だけでは紹介しきれませんので、別の機会で紹介したいと思います。
また次回の記事でお会いしましょう。

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