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猿払村に生息している有害鳥獣 ~元担当が紹介してみた~

みなさんこんばんは。
猿払村総務課まちづくり係の”たかはし まさや”です。
今年4月の人事異動で新たに配属となったことから、今までの担当者から引き継ぎ、noteのほうも書くこととなりました。
今回、初めてnoteを書きますので、まずは自己紹介をしたいと思います。

簡単な自己紹介・・・

平成6年生まれの猿払村出身。
小学校2年生から剣道を始め、現在でも続けています。
中学時代までは地元で過ごし、高校は旭川のほうへ進学。卒業後は深川の短期大学に進学しました。
平成27年に猿払村役場へ就職し、産業課水産商工林務係へ配属されました。令和2年度からは議会事務局、令和3年8月からは産業課農政係へ配属。
上のほうでも書きましたが、今年4月に総務課まちづくり係へ異動となり、現在に至ります。


そもそも有害鳥獣とは何なのか?

有害鳥獣とは「人畜や農作物などに被害を与える鳥獣」とされており、そのうち狩猟することができる鳥獣は、鳥類28種、獣類20種の計48種が狩猟の対象となっています。
上記にもあるとおり、人や家畜、農作物などに被害を与えていることから、被害防止のため駆除する必要があります。
被害防止以外にも、増えすぎた鳥獣の個体数を調整して管理することで、生態系のバランスを守ることも目的の一つです。


どうして有害鳥獣を記事にしたのか?

今回、私が有害鳥獣の記事を作成した理由は大きく分けて2つあります。

1.猿払村の「産業」を知ってもらうため

ご存じの方も多いかと思いますが、猿払村は「漁業」「酪農業」が盛んな村です。しかし、ほかにも猿払村の産業は「商工業」「林業」「観光業」などがあります。今回記事にしている有害鳥獣は、猿払村の産業にも影響を与えています。

私は役場に入ってから8年目となりますが、産業課には合計で5年7か月ほど在籍しておりました。この機会に、自ら業務をしていた「産業」のことを記事にして、もっといろんな人に深く知ってもらえたら良いなと思ったのが一つ目の理由です。

2.有害鳥獣による被害や猟友会の駆除活動を知ってもらうため

有害鳥獣による被害は深刻であり、特に農業被害が問題となっています。
村でも猟友会に委託して駆除活動を実施しておりますが、増えすぎた鳥獣の個体数を管理することは容易ではありません。生き物を相手にするわけですから、当然相手も逃げたりするので、効率良く駆除することは難しいです。

ニュース等で報道されることもありますが、北海道にはヒグマも生息しています。
基本的にヒグマは臆病な性格であり、遭遇すること自体が珍しいです。しかし、一度人を襲ったヒグマは、何回も人を襲うようになってしまいます。

このように、人の生活に影響をおよぼし、ときには人命に関わるような事例も生じることから、猟友会によって駆除活動が実施されています。この駆除活動がなければ、被害を止めることはできません。
こうした現状や駆除活動などを多くの人に知ってもらえればと考えたことが、この記事を書こうと思った二つ目の理由です。


猿払村に生息している有害鳥獣

前置きが長くなってしまいましたが、では実際に、猿払村にはどんな鳥獣が生息しているのか? みなさんに紹介していきたいと思います。

1.エゾシカ
日本に生息している二ホンジカの亜種であり、北海道のみに生息しています。
エゾシカは樹皮や農家の作物、牧草などを食すことから、農業だけではなく林業にも被害をおよぼしています。個体数も非常に多く、駆除してもキリがない状況です。
農業・林業被害以外にも、その個体数の多さから道路に出てくる機会が増えているため、車との衝突事故が発生しやすいことも問題となっています。秋から冬へ季節が変わるときは、雪も降り固まっていない状況であることから、車も急に止まることができないため、特に注意が必要です。
猿払村でも、エゾシカによる被害防止と個体数の調整は喫緊の課題であり、猟友会と連携して、駆除頭数を増やしたりするなどの対策をしています。

村内を車で走っていると、ほぼ毎日見かけるくらい多いです。

2.ヒグマ
個体数自体はそんなに多くはないのですが、危険度はほかの有害鳥獣の比ではありません。
上のほうでも触れましたが、ヒグマは人を襲うことがあります。一度襲ってしまうと、何度も繰り返し人里に現れるため、すぐに駆除する必要があります。
目撃情報があったときは猟友会に連絡し、目撃地周辺のパトロールを実施してもらっています。村でも防災無線による注意喚起を行っています。危険度がトップクラスであることから、ほかの仕事よりも最優先でヒグマ対応に当たらなければなりません。
ここ最近、猿払村でのヒグマの目撃件数は増加傾向にあり、村と猟友会でも注視しています。

私たちもヒグマの習性を知り、ともに共存していかなければなりません。

3.キツネ
キツネによる被害は、エゾシカなどと比較すると多くはありません。しかし、キツネで怖いのは「エキノコックス」という病原体を保有している可能性があることです。
エキノコックスに感染すると肺や脳などに深刻な症状を引き起こすので、住民の生活環境を守るため駆除を実施しています。
主に「はこわな」を設置して、わなに入ったら駆除するという方法で駆除してもらっています。

キツネはその長い胴体から、はこわなに入りきらないで逃げられることがあります。
ほかの鳥獣にもいえますが、病原体をもっているので、素手で触ることは危険です。
はこわなは奥にエサを置き、動物が板を踏むことで作動する仕組み。


4.カラス
今回紹介する有害鳥獣の中で唯一の鳥類であるカラスですが、4月ごろになると木の上などに巣をつくり産卵します。
猿払村には木が多く、人が普段通る道に生えている木の上に巣をつくることもありますので、その付近を歩いている人を襲う可能性があります。
カラスの巣に関する連絡があれば現場に行って、被害防止のため巣を落とします。その際、カラスは巣を守ろうと仲間を引き連れてくるので、ヘルメットを装備するなど、身を守る準備が必要です。
また農家の牛舎に侵入して、牛にイタズラをすることがあります。ストレスによって牛が死んでしまうこともあるので、猟友会にお願いして駆除してもらっています。


カラスは知能が高く、記憶力にも優れています。
攻撃すると反撃されることがあるので、気をつけなければいけません。

5.アライグマ
上記で紹介した4種類の鳥獣は、昔から住んでいる在来種ですが、アライグマは、海外から何かしらの経路で侵入してきた外来種です。
アライグマは1年で4頭の子どもを生むため、繁殖能力が非常に高く、急激に数を増やしています。
牛のエサを食い荒らすことが多く、農業に多大な影響を与えているほか、鮭の赤ちゃん(稚魚)を育てる孵化場に出没し、稚魚を食べようとするなど、水産業にも影響を及ぼしています。

在来種は元々生息している動物ですので、極端に減りすぎることがないよう調整する必要があります。しかし外来種は、そもそも生息していること自体がおかしい話ですので「全滅」させなければなりません。
外来種を放置してしまうと、生活環境の被害だけではなく、生態系のバランスも崩れてしまいます。アライグマには天敵が存在しないため、「ヒト」の手によって防除していくしかありません。
現在、村と猟友会で協力しながら「はこわな」を設置し、防除活動に当たっています。エゾシカ同様、個体数が非常に多いことから、今後も猟友会との連携を密にして防除する必要があります。
アライグマについて、また機会があれば触れていきたいと思います。

ちなみに、在来種を倒すことは「駆除」と呼ばれていますが、外来種の場合は「防除」という呼び方をします。紛らわしいですね…

アライグマは見た目に反して、力が非常に強いです。
手先も器用であり、はこわなに入ったあとも隙間から手を出そうとするので油断はできません。

今回はここまでにしたいと思います。
私が担当するときは、今まで在籍していた部署での経験などを話していければと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の記事でお会いしましょう。