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猿払産夏いちごが札幌に進出?!「夏いちごの可能性を探って四苦八苦~世界観はとっても大事~」

こんにちは、協力隊の山口です。7月も半ばを過ぎたと言えば本州では夏真っ盛りというイメージですが、今日の猿払村の気温は24℃
相変わらずこちらは夏でも過ごしやすい気候です。

さて、前回は今現在のハウスの様子と収穫しているいちごのお話をしました。その中で、今年度は朝採れ収穫を採用しているとお話しましたが今日は

なぜそんな早朝出勤してまで朝採れ収穫をするの?

ということをご説明しようと思います。
※朝採れ 朝の早い時間帯にいちごを収穫する手法




朝採れって何がいいの?

まず最初に朝採れいちごのメリットをご説明します。
メリットとしては大きく「鮮度」と「完熟」の2つが挙げられます。

鮮度」・・・いちごは果実の温度が高い場合は収穫したとたんに鮮度が落ち始めます。鮮度が落ちたいちごは果汁が減少して食味が極端に低下し、見た目も悪くなります。そのため果実の温度が低い早朝に収穫する朝採れの方が鮮度を維持しやすいです。
※下図「コールドチェーン」参照

㈱イチゴテック 宮崎

鮮度維持の秘訣「コールドチェーン」

コールドチェーン  生産から流通まで、一貫した温度管理による鮮度維持の手法


完熟」・・・早朝の低い温度帯の方が果実の表面も引き締まっていて硬く、収穫の際にキズつきにくいので完熟で収穫できることもメリットです。いちごは追熟をしない果物なので鮮度と完熟で収穫することが命。朝に採れた完熟いちごをその日のうちに流通にのせることができればベストです。
※下図「Farm to table」参照

㈱イチゴテック 宮崎

完熟収穫の秘訣「Farm to table」

Farm to table 農場から食卓までの一連の流れ。猿払村の場合は中間業者が少ないためより鮮度良く、より完熟の状態でお客様の手元に届けることができます         



このように朝採れによるメリットがあるにはあるのですが、
やはり早朝の仕事


・・・はぁ、
・・・しんどい


そもそも、いちご農家でもないのにそこまで質を追求する意味があるの?
役場のプロジェクトの一環でやるんだから
そこまでしなくてもいいんじゃない?

しかし、そんな中途半端な指針で誰かの注意をひけたり、
感動を与えることのできるコンテンツがつくれるのか・・・?



しばらく色々な考えが頭の中を駆け巡りました。
しかし結論として出てきたのは、

どうせやるからにはいい物をマジでやりたい
それが答えでした。

私が最初に猿払村noteに出会った時に感じた印象

「こんな最北の片田舎でこんなことやっているの?!
いいじゃん、クレイジーで面白い!」

その気持ちを大切にして3年間活動したい。
少なくとも3年の間、そのためにやれることには全力疾走でありたい。
私の場合、猿払村を活動拠点に選んだ理由はこれです。
割にあっているかどうかではなく、やりたいかどうかで最終的に判断しました。


朝採れいちごの行方

では、その想いの詰まった朝採れいちごをどこへ出荷するのか・・・
今年度の出荷先として札幌大丸と東京羽田空港の産直空輸便に出荷しています。

札幌大丸の㈱フレッシュワンさんには直接お話を伺うことができ、
「ここまで質の高い夏いちごを国内で栽培できているのは珍しい」
と、猿払産夏いちごの品質に関して高く評価していただけました!
他にも改善できる点や最近のお客様の購買傾向なども合わせて色々と教えていただいて、是非とも末永くお付き合いさせていただければ!!

現在、大丸地下1Fのフレッシュワンさんの青果コーナーに陳列されております。

そして、何よりも力を注いだのはこのパッケージ!

トレーシングペーパーの帯に白い貼り箱、鮮やかな赤いリーフレットはよく映えます

中身に相応しい高級感を出すにはどうすればよいかということで、担当していただいた資材屋さんとも何度も協議を重ねました。
また、ただ単純に夏いちごを売りたいということではなく、夏いちごを介して猿払らしさがわかるようなブランディングをしていきたいという想いを汲んでもらいました。

納期などで色々な無茶ぶりをしたんですが、迅速に対応していただけて感謝です☆

今年度最初の収穫したいちごは新パッケージに入れて村長に贈呈しました

さるふつの「さ」を意識したいちごのロゴは、シンプルで高級感あふれる仕上がりになっていて大変満足です。特にリーフレットに関しては色々な想いを詰め込んだものを作りました。

リーフレットに入れる文章も全部考えました。人に伝える文章って難しいですね
アクセスサッポロで開催されたパック展示会の様子。
ご協力いただいた㈱サトウ包装さんのブースで出品されました


世界観はとっても大事!

これからまだまだ、夏いちごプロジェクトに携わる上で村内外に向けてPR活動を続けていくつもりですが、リーフレットにもあるような猿払村独特の‘世界観‘を私は大切にしたいと思っています。

それが私が惹かれた猿払であり、選択される村である理由だと感じているからです。

また私自身もこの世界観づくりを共有することで
周辺と交じり合い地域に根差して共に目指すという、
お互いにWin-Winでいられる地方暮らしに繋げたいと思っています。

湿っぽい感じになりましたが、現在地域おこし協力隊という職業を考えていてこのnoteにたどり着いた方へ、助言になれば幸いです。


次回の記事は7月31日(月)18:00更新予定

今回はちょっとボリュームがあったのですが、最後までお読みいただきありがとうございました!スキやフォローをしていただけると励みになります。

次回、「村外だけじゃない村内にも広がる"猿払夏いちごプロジェクトの輪"~これが地域に馴染むってことか!!~」をお送りします。