「イチゴと葉物野菜」1シーズンの中で設備を切り替え栽培できるのか?
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「イチゴと葉物野菜」1シーズンの中で設備を切り替え栽培できるのか?

北海道猿払村

みなさんこんにちは
企画政策課の”しょうた”です。

本日の内容は『新規産業の創出事業編』第8弾となります。
村が取り組む施設園芸における「葉物野菜」の栽培ですが、今期で2シーズン目に突入。昨年10月に定植を行い、今月1月をもって全ての野菜の収穫が終わりを迎えようとしています。

今回は、今期「葉物野菜」の栽培についてを掘り下げてお話ししていこうと思います!

👇 過去の「新産業創造編」記事はこちらから 👇


さて、今回のポイントは2つ。
①なぜ「イチゴと葉物野菜」栽培方法が違う作物の切り替えを行うのか
②2シーズン目の栽培状況は?


「イチゴ」と「葉物野菜」、1シーズン内で栽培作物を切り替える

現在、猿払村が取り組む施設園芸栽培は、1シーズンで大きく分けて2つの異なるの作物を栽培しています。

春〜秋・・・イチゴ  (高設栽培)
秋〜冬・・・葉物野菜 (土耕栽培)

まずは、1シーズン目の葉物野菜栽培が終了した段階で、「イチゴ」栽培設備へ切り替えているのですが、設備の切り替えは非常に労力を要する作業でした。

<切り替え時の主な作業は?>
【イチゴ栽培】
 □高設ベンチの設置
 □プランター・培土の設置
 □防草シートの敷設
 □プランターの消毒作業
 □葉物野菜へ切り替えるため、上記設備の解体

【葉物野菜栽培】
 □耕運機で土を起こす
 □石灰や肥料を混ぜ土壌調整
 □畝を立て、マルチを掛ける
 □灌水かんすい設備を設置
 □冬の保温に向けたトンネル支柱の設置
 □イチゴ栽培へ切り替えるため、土均し・転圧

これら作業をそれぞれ栽培に必要となる時期に、およそ1週間ほどで完了させ、栽培作物の切り替え『イチゴ→葉物野菜』を行います。

葉物野菜栽培へ切り替えている様子をご紹介します

①イチゴ栽培が終了、全ての苗を刈り取っていきます。何だか少し寂しい気持ちが・・・。

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②苗の刈り取りが全て完了、設備を全て撤去して防草シートを剥がしていきます。

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③防草シート撤去後、いよいよ耕運開始!ガッチリ踏み固められた土を起こすのは、中々骨の折れる作業です。併せて土壌の調整も行なっていきます。

掲載画像_圃場整備

④畝を立ててマルチを貼り、野菜を定植する準備が完了!

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灌水かんすい設備を自分たちで組んでいきます

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⑥いよいよ、野菜の播種・定植を行なっていきます。

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⑦トンネル支柱を設置し、冬期間中に保温できる準備を行います。

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⑧葉物野菜の圃場ほじょうが完成!

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なぜ、1シーズン内で「イチゴと野菜」の栽培をするのか?

冬の葉物野菜の栽培は、国内全体を見たとき、もちろん生産されている地域はあります。しかし、北海道は冬が寒過ぎる故、冬に野菜の生産を行う地域が少ないという印象が強いです。
また、冬の栽培が行われないため、道外から輸送されるものが多く、どうしても「収穫〜出荷〜販売」までの日数が掛かってしまいます。また、さらに北部への輸送となれば、新鮮な野菜を手に取る機会が少なくなってしまうというのが現状です。

では、イチゴはどうなのか?
全国的にイチゴの需要が高まる時期は、およそ12〜4月までの5ヶ月間程。この間は、国内での流通量が高まります。また、5月以降では、国内で生産されるイチゴの量が急激に減り、一般的なスーパーなどではイチゴを見る機会が一気に減るかと思います。そういったことからも、流通量が多い冬の期間よりも夏イチゴの方が単価が高いということもあります。

そこで、各作物によって国内流通量が落ち込む時期、単価が上がる時期を狙い、「夏はイチゴ」「冬は葉物野菜」と、1シーズン内で栽培作物を切り替えて栽培しているというわけなんです。


さて、2シーズン目の葉物野菜の栽培状況は?

さて、1シーズン目のイチゴ栽培を終了し、設備の切り替えも無事に完了!葉物野菜の栽培は、2シーズン目へと移っていきますが、今年は昨年の栽培品目数よりさらに8種類ほどの品目を増やし栽培を行なっています。

<栽培を行っている野菜 計14種>
リーフレタス、サニーレタス、ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、ミニ白菜、春菊、わさび菜、水菜、小かぶ、ケール、スイスチャード、ラディッシュ、パクチー

今年収穫された「さるふつ産野菜」

これだけ多くの野菜を栽培する理由は、今後本格的な事業化に向けて、猿払村の冬を乗り越えられる野菜を検証するため、これら野菜の栽培を行なっています!

1シーズン目の葉物野菜栽培
🤲 ぜひこちらをご覧ください 🤲

また、2シーズン目の栽培では、1シーズン目で発生した課題の改善も併せて行なってきました。

【1シーズン目で発生した課題】
①水をやり過ぎた
②不織布を掛ける時期が遅かった
③苗同士の定植位置が近接し、生育にバラつきが発生

①水のやり過ぎ
昨年は栽培初年度ということもあり、どの程度の期間まで灌水を行うべきか、見極めきれなかったということが挙げられます。そのため、今シーズンでは、昨年より早めに灌水を止め根腐れを起こす野菜を減らすことができました。

②不織布を掛ける時期
今年は、トンネル支柱の設置を苗定植と同時期に行い、いつでも不織布をかけられる状態にしたことで、気温を確認しながら昨年より早い段階で保温を開始することができました。結果的に、昨年度は生育温度に満たず上手く生育できなかった「ほうれん草」が、今シーズンは無事出荷基準に満たすまでに成長しました!

③苗同士の近接
昨年は、苗の定植位置が近過ぎたことで、内側に定植したものが上手く生育できず小さいまま成長を止めてしまった野菜がありました。さらに、内側の苗では生育に必要な水分が上手く行き渡らなかったのか、カルシウム欠乏(生理障害)の症状が発生、出荷できない野菜がいくつか出てしまいました。今年は、そのような症状をなるべく少量に済ませられるよう、定植間隔を広げ全ての苗に水が均等に行き渡るよう改善し、昨年見られた生理障害は一定程度抑えることができました。

これらの課題を解消していきながら、2シーズン目の葉物野菜の栽培も順調に進み、収穫が残る野菜もあとわずか。いよいよ今シーズンの葉物野菜の栽培も終了に向かっています。

昨年に引き続き、収穫された野菜は村内のスーパーで販売を行いました。収穫された野菜は、その日のうちにスーパーへ納品し、翌日には店舗に並び始めます。そのため、新鮮な状態で購入いただけるため、消費者の方からも好評価をいただくことができました。

しかし、販売に関しては来年度に向けた課題もあります。あまり見かけることの少ないマイナーな野菜の販売も一部あり、そういった野菜に関しては、食べ方や特徴などが分からず、手に取りづらいということ。「新鮮で味も美味しい」でも、どうやって食べればいいか分からない。こうした野菜を販売する際には、「おすすめの調理方法」など、POPなどを活用し消費者へ訴求する必要がある感じました。

現在は「試験販売」ではあるものの、今後の事業化に向けて、こういった「販売での課題」については解消していく必要があります、そのため、来年度で葉物野菜の栽培は最終シーズンを迎えるため、今のうちから「POP作り」など、できることから始めていきたいと思います。


そして、今月より「イチゴ栽培」の準備がスタートします!
今月中旬頃より、イチゴの苗が徐々に到着し始め、3月定植に向けた育苗を開始していきます。

次の『新規産業の創出事業編』第9弾では、イチゴ苗の育苗について綴っていこうと思いますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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北海道猿払村
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