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\新規産業の創出を目指して/イチゴ栽培に欠かせないミツバチを手に入れるまでの道のり


みなさんこんばんは
企画政策課の"こだか しょうた"です。

約1ヶ月ぶりの投稿となります。
前回に引き続き「猿払村における新規産業の創出事業」として現在取り組みを進めている”施設園芸栽培実証事業”について、今回も綴っていきたいと思います。


まだ、前回の記事をご覧になられていない方は、ぜひこちらの記事についても合わせてお読みいただけると大変嬉しいです。

" 前回記事 "
↓↓ \新規産業の創出を目指して/新たな"一歩"を踏み出す ↓↓


前回記事を振り返りますと・・・

□前回記事の振り返り
 ①猿払村が始める"新規産業の創出事業"への取り組み
 ②"スマート農業"に着目
 ③"IoT"を駆使した施設園芸栽培への着手

以上のことについて、綴ってみました。

さて、今回「新規産業の創出事業編」第二弾として、現在最北の村"猿払村"が進める施設園芸栽培実証事業に関し、わたしが書きたいこと。

それは、

□今回の記事で書きたいこと
 ①なぜ”IoT技術”を活用した施設園芸栽培に着目したか
 ②いよいよ「イチゴ栽培」へ着手

今回は、この2点について触れていきたいと思います。


まずは・・・



"IoT技術を取り入れた施設園芸栽培"

○制御装置

猿払村における施設園芸栽培においては「IoT」を活用した施設園芸栽培を行っています。

これは、人の手をなるべくかけることなく”省力化”を生み出すことで、これから新規就農を目指そうとされる方が"新たな土地で、新たな生活、新たな職に・・・"というハードルを少しでも下げるための1つのツールとして、また猿払村での新規就農を目指す方が選ぶ"農業形態の選択肢になり得るものを増やすためにも”と考えたのがきっかけです。

また、現在猿払村施設園芸にて活用されている"IoT"が担う具体的な役割は以下のものなどが挙げられます。

「猿払村施設園芸栽培における"IoT"が担う役割」

①灌水作業(イチゴ苗への水やり)
 時間を設定することにより自動で灌水
②側窓(内・外・天井)と呼ばれるビニールの巻き上げ(下げ)
 設定した温度を保つよう自動で巻き上げ(下げ)
③空調ファン(循環扇)の制御
 ②同様、ハウス内の温度を均一に保つように制御
④温度や湿度のデータ管理
 温度や湿度のデータを蓄積し、施設園芸に栽培する作物の管理に役立てることが可能

これらの役割は全て"インターネット上"で制御・管理が可能となっており、また、現地へ行かずにハウス内環境制御における設定の変更やリアルタイムなデータ、蓄積されたデータなどの確認を行うことも可能。また、日々のデータを蓄積していることで、栽培する作物における"最適化された栽培計画"を立てることも可能にします。

こういった、今までは人の手や農業そのもののノウハウ、技術や経験などが必要であった農業も、できる限り省力化・効率化させることで、初心者でも、夫婦でも、どなたでも猿払村での農業経営を可能とするため、猿払村では"IoT"を駆使した「スマート農業」というものに着目したというわけです。



猿払村がいよいよ"イチゴ栽培”へ着手

定植作業

さて、いよいよ猿払村が現在行なっている「イチゴ栽培」への着手について触れていきたいと思います。

”イチゴ苗の定植”

まだ雪の残る3月中旬、猿払村において”新たな一歩”となる「イチゴ苗の定植」が行われました。

専門家指導のもと2日間かけ行われたイチゴ苗の定植は、2棟ある施設園芸ハウスに合計「4品種1920株」の苗が定植されました。

□猿払村施設園芸ハウス
 2棟(A棟・B棟)のビニールハウス(約400㎡)
  A棟・・・加温装置を設置
  B棟・・・無加温
□栽培している4つの品種(イチゴ)
 ①信大BS8-9  960株
 ②すずあかね  400株
 ③桃薫  288株
 ④エンジェルエイト(白イチゴ)  272株  

定植後

雪解けも進んだ猿払村も4月に入り、ようやく苗の定植から1ヶ月ほどが経過。イチゴの苗も少しずつ大きく、さらに新たな葉も出てくるようになりました。

4月〜5月の2ヶ月間は、施設園芸を担当する”地域おこし協力隊員1名”と”わたし”の2名体制で、日々の観察や生育管理、調査などを行いながら、段々と成長していくイチゴに少し親心のようなものも芽生えつつ。。。ということはさておき、苗の定植から順調にイチゴも成長。とうとう一つ目の”花房”が見え始めるイチゴも出てきました。

しかし、4月当初より苗の生育状況は順調に進む一方で、一つの課題・問題が浮上してきます。

”受粉用のミツバチ導入”

ミツバチ

4月〜5月の間で非常に難航したのは、受粉用のミツバチを「どこから、どのように」村の施設園芸栽培において購入し使用することができるのか、という問題でした。

ミツバチを導入することができなければ、イチゴの花の受粉がされず、実ったイチゴが全て「奇形」となってしまう。そうなれば、収穫そのものができなかったり、収穫をしても形が悪く販売ができないようなイチゴとなってしまう。そうなれば、全ての花に”人工授粉”を行う必要がある。

・・・それだけは何としてでも避けなければならない。

しかし、単に"ミツバチ"を購入するとなっても「地方自治体が”ミツバチ”を購入」など、あまり・・・というよりも聞いたことがなく、さらに「養蜂用」と「受粉用」とでは使用するミツバチの種類にも違いがある。

また、北海道では本州とは生態系にも違いがあり、指定外来種に認定される種類のミツバチは使用そのものが禁止されていることから、購入はさらに難航した。

あらゆる関係機関等に問い合わせを行いながら、購入先の紹介を受けられないかを確認。また、購入後においてもミツバチにおける伝染病の検査を受ける必要もあることが判明。さらに購入まで期間を要しました。

そこに一本の連絡が・・・。

問い合わせをしていた北海道養蜂協会より、道北エリア(上川近郊)の養蜂家において、受粉用ミツバチを購入することができるとの連絡があり、約1ヶ月ほどかかった「ミツバチの購入」を何とか進めることができた。4月より「受粉用ミツバチの購入」に追われていた私にとっては、この時のことを思い返しても本当に安堵した気持ちでいっぱいでした。

何はともあれ、ようやく「受粉用のミツバチ」をハウス内に設置することもでき、また、何とか人工授粉だけは免れることができ、ミツバチ導入後は訪花する蜂の姿も多く見られ、無事にイチゴの花の受粉を行うことができた。


5月も中頃になり、開花した花には蜂の姿が、すでに受粉を終えた花は花びらが地面に落ち、これから段々とイチゴの実になっていくのが待ち遠しいです。

5月作業風景




さて、今回はここまで。


猿払村が目指す「新規産業の創出」第二弾として書いてみました。

次回もわたしの記事で連載していきます。

ぜひ、ご覧いただけると嬉しいです。


それでは、また。



猿払村役場企画政策課 しょうた


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