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日本最北の村で活躍する、自然大好きカメラマンへインタビュー。

みなさんこんにちは!
猿払村で広報を担当しています“ちひろ”です。

猿払村は、日本最北の村、北海道でもっとも広い村として、オホーツク海を望む宗谷北部に位置しています。

猿払村には、写真に残したい!と思わず息をのむような“手つかずの自然”があります。
そんな“シャッターチャンス”の宝庫ともいえる猿払村で活躍しているのが、カメラマン“小俣孝範さん”。

小俣さんは、猿払村の自然を集めた写真集「猿払の四季」を出版しています。
人口約2700人の小さな村でこんな素晴らしい活動をしている人がいるのは、とても誇らしく思います!

今回は、小俣さんに自然の良さや写真を撮る上でのこだわりをお聞きしました!
途中途中で、小俣さんが撮影した写真をはさんでいきます。
ぜひ、最後までご覧ください。


子どもを撮影するために始めたカメラは、いつしか自然専門に

写真を始めたのは、今から38年ほど前。子どもが生まれたことがきっかけとのことです。

(小俣さん)
最初は子ども中心に撮影してたんだけど、だんだん間延びしていっちゃって。その穴埋めとして、もともと鳥が好きだったんで自然の撮影もするようになりました。
この時代は、フィルムカメラ。現像してみないとどんな写真が撮れているかわからないから、失敗したこともたくさんあります。お金もかかるし大変だったんです。
時代の流れもあってデジカメに変えてからは、たくさん撮るようになったかな。
ただ、フィルムのこだわりがあったので、しばらくはフィルムカメラとデジカメを併用していました。
カメラを始めた頃は、8割が子ども、2割が自然くらいの比率だったのが、子どもが中学生くらいになってからは、比率が逆になり、完全に風景撮影にシフトしました。

フィルムカメラには思い出が詰まっているのでなかなか捨てることができず、今でも時々動かすことがあるそうです!


猿払村の自然を残すため、写真集の自費出版を決意

2019年3月、小俣さん自身が撮りためていた猿払村の自然をまとめた写真集「猿払の四季」を出版しました。

(小俣さん)
自然の撮影はずっとしていたけど、表に出す機会はなかったので、ほとんど自己満足だったね。どっかで何かに使うことがあるかもなくらいの気持ちで写真を撮りためていました。
今まで猿払村には、村の自然をまとめて見れるものがなかったので、そういうものを作りたいという気持ちはずっとあって。
なので、定年退職してから退職記念として写真集を作ってみようと思いました。お金もかかることなので奥さんに相談したところ「作っちゃえば?」と。妻の後押しで出版を決心しました。
自費出版なので当然限界はあるけど、どうせ作るんだったらちゃんとしたものを作りたいなっていうのがあったので、ちょうどいい部数などを自然雑誌ファウラ編集長の大橋弘一さんに相談しながら、制作・販売しました。
また、完成したものは子どもたちにも見てもらいたかったので、村内の小中学校に寄贈しました。

「猿払の四季」は、ネット販売のほか、道内の書店で販売。
書店に自分の本が売っているか確認して、置いてあるのを見つけたときはうれしかったと話していました。


写真を撮るうえでのこだわりは「自然を邪魔しない」こと

長年「自然」を専門に撮影している小俣さんの譲れないこだわりとは?

(小俣さん)
基本的には自然を邪魔しないことだね。エサを撒いて鳥を寄せる人もいるし、撮影の邪魔になるからって枝を切るような人を見かけたこともある。あれは本当にやってはいけないと思っています。


自然を知って大事にしてほしい

小俣さんは、写真のほかにも、エサヌカ線での植生調査やタンチョウの飛来調査や生息調査の手伝いも行っているとのこと。
また、小学生の総合学習や村内の親子を対象とした自然観察会では、自然のことを教える講師としても活動中です。

(小俣さん)
小学校の授業で、コケモモの花が咲く時期や実がなる時期、実際に現場へ行ってコケモモを中心にいろいろな動植物の説明をしています。それは、自分自身も楽しみながらやっています。
いつのまにかコケモモの会の人って言われて。そんな会はないんだけどね笑
コケモモは村の花なんで大切にしてほしいですね。

自然観察会のひとこま
「楽しみながら教えてる」と話していたとおり、表情からは楽しさが伝わってきます。


「手つかずの自然」は本当にいいのか

(小俣さん)
猿払村はよく、「手つかずの自然」っていうけど、適度に枝をはらったり、間伐したり、森は少し手をかけないといけない。ほったらかしにしておくと、壊れちゃうんだよね。熊なんかは典型だけど、森と人間の住んでいるところにきちんとバッファーゾーン(※)を作ったりすることがお互いの幸せになるんじゃないかな。
※バッファーゾーン…人の生活圏と野生動物の生活圏を隔てる緩衝地帯のこと

一方では、観光として手のついていない自然っていっているけれど、観光資源にするには整備をしなくちゃいけなかったり。鬱蒼とした森が好きって人もいるんだろうけど、今あるものをちゃんと守っていく方にシフトしていくこともいいのかなと思います。他から来る人が楽しむのもいいけれど、ここにいる人がいいなって思えるようなものにしていく必要があるかな。


観光客向けにガイドブックの作成

現在行っている活動についてお聞きしました。

(小俣さん)
写真は休みの日とか、朝仕事に行く前に撮影したりしてます。
ずっとやるんだろうな、これからも。笑
今は、自然を中心としたガイドブックを作ろうと思っていて、原稿を作っている最中です。完成したら、観光客の方々に配布できたらと思っています。

村民でも、近くに咲いている花の名前やよく見る動物の名前を知らない人は多いのではないでしょうか。気になったときに見てすぐわかる辞典のようなガイドブックができるのは楽しみです!



「猿払の四季」はふるさと納税の返礼品としても取り扱っていますので、ぜひ、チェックしてみて下さい!