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存続の危機にある陶芸サークルを救うため、初めて陶芸に挑戦しました

みなさんこんにちは!
猿払村で広報を担当しています“ちひろ”です。

2月某日、私のもとに1通のメールが届きました。
送ってきたのは、村の陶芸サークル「天北の長寿焼き」で代表を務める方。
その内容は、

  • 現在、会員数は8名だが実質活動しているのは5名のみ

  • 高齢化も進み、存続の危機に陥っている

  • 会員を増やすために広報紙へ掲載していただきたいが可能か

ということでした。
過去には、人数不足に悩むバレー少年団から同じような相談を受け、広報紙に掲載したこともありました。
広報担当として力になりたいと思い、広報紙へ掲載するため取材に伺いました。

取材の内容は、令和5年3月31日発行の広報猿払4月号の裏表紙に掲載しますが、今回のnoteでは、広報紙に掲載しきれなかった情報を書いていきます。


天北の長寿焼きサークルとは

天北の長寿焼きサークルの始まりは昭和49年。村が老人福祉対策の一環として「高齢者陶芸教室」を始めたのがきっかけです。
作品を文化祭に展示・販売したところ好評を博し、「天北の長寿焼」と名付けられました。

「天北の長寿焼」
 村内のお年寄りなどが趣味ではじめた陶芸が、縁起物として好評を得たことから「天北の長寿焼」として販売しています。
 ひたむきにものを創造する喜びとして今に受け継がれており、やさしさやあたたかみのある仕上がりから、お土産や贈り物としても喜ばれています。

猿払村ホームページより

高齢者のみが対象となっていた陶芸教室は、昭和60年代にサークルとなり、年齢を問わず陶芸愛好者が集うようになりました。

現在は、会員8名。作るものに規制はなく、それぞれが作りたいものを作るというスタイルで活動しています。
作業場のある施設が開いている時間であれば、好きな時間に活動してもOKと、自由度がかなり高いです。

会員が作った作品たち

また、作品は自分で使うはもちろん、猿払村文化祭、さるふつ公園内夢喰間、さるふつ観光まつりでの販売も行っています。

猿払村文化祭の様子

サークルに加入しなくても、見学・体験することができ、初心者には、道具の使い方から作り方まで丁寧にレクチャーしてくれるとのことです。


陶芸=難しいは間違いだった

私の中で陶芸といえば、ろくろを使って形を作る初心者には難しそうなイメージ。

いかにも職人って感じの人がやってそう

会員の方に陶芸に対するイメージを伝えたところ「みんな難しそうっていうけれど、実はすごく簡単なんだよ」とのこと。
さらに、「簡単だってわかってほしいから、今からお皿づくりに挑戦してみない?」「体験してみたほうが記事も書きやすいんじゃない?」との声をいただき、確かにそうだなと思ったので、陶芸体験を行うことに。


初めての陶芸体験スタート

1.成形
今回は、ろくろを使うのではなく、手で成型していきます。どうやらろくろを使うよりも簡単のようです。
まず初めに粘土を薄く延ばす作業を行いました。
本来は土選びから始まり、こねる作業がありますが、ここではベテラン会員の方に用意していただいた粘土を使用。

粘土は針金できれいに切れる

均一の薄さになるよう、端に定規を置いて伸ばしていきます。

伸ばした粘土を同じ大きさ・形のボウル2つの間に挟みます。そうすることで、簡単にお皿の形を作ることができます。
成形作業はこれで終了。10分ほどしかかかりませんでした。

成形したものは窯に入れ、800℃程度で焼成する「素焼き」という工程となりますが、こちらは会員の方がやっておいてくれるとのことでしたのでお任せしました。


2.やすりがけ
素焼きをしたものは、ぐにゃっとしていた粘土の時と比べ、固くなっています。少し歪んでしまいましたが、それはそれで味があっていい感じです。
角を丸くしたり、表面の凸凹をなくすためやすりをかけていきます。

結構角があったのでゴシゴシやすりをかけました。
成形の段階から角を丸くしておくやり方もあるようです。


3.絵付け
まずは鉛筆で下書きをします。初めてのくせに、割と細かめなデザインに挑戦しました。下書きに使った鉛筆の跡は、焼くと消えるとのことです。

普通の絵具と同じだと思っていましたが、スッと筆が進むわけではなく、インクを乗せるような感じで塗る必要があり、慣れるまでには時間がかかりました。
使う画材によっては、焼き上がり前と後で色が変わってしまうものもあるようです。とくに緑は難しく、焼きあがると茶色になってしまうものが多いと聞きました。奥が深いです。

何とか絵付けを完成させました。
上手くできなかった部分もありますが、あえて手作り感を出したという体にしておきます。


4.施釉(せゆう)
次は、お皿にツルツルとしたガラスのコーティングをするため、釉薬(ゆうやく)を全体にかける工程です。
釉薬がたっぷりと入ったバケツの中に、トングでつかんだお皿をくぐらせます。力を入れすぎて割れないかな、つかみが甘くて落としたらどうしようと色々と考えている間に作業は一瞬で終わりました。
釉薬が付くと絵が見えなくなりましたが、焼きあがると透明になります。


5.本焼き
いよいよ最後の工程です。
再度窯に入れ、1240℃程度で焼き上げ完成です。
noteの記事を書いている時点では、まだ本焼きが行われていないため、本焼きが終了してお皿が完成しましたら追記します。

この大きな窯に入れて焼きます


やってみないとわからない良さ

陶芸体験を行う前に、会員の方々からお聞きした「陶芸の良さ」は以下の通り。

  • 仕事のストレスや嫌なこと、家庭のことを忘れ、無心になってものづくりができる

  • 完成するまで時間がかかるため、ゆったりとした気持ちで取り組める

  • 最後の窯を開けるまで、どんな作品が出来上がったかわからないわくわく感

  • 思い通りの色にならなかったり、形が歪んだり、割れてしまったりと失敗することもあるが、成功したら嬉しいし奥が深い

  • 2つと同じものがない1点ものを作れる

実際にやってみないと良さがわからないと全員が言っていましたが、まさにその通りでした。今回体験してみて、みなさんが話していた陶芸の良さに共感しかありません。
作ったものは自分で使えるし、趣味として始めるにはかなりアリだなと思いました!


陶芸を始めてみませんか?

今回、私が行った陶芸体験は、会員にならなくてもできます。
少しでも気になった方は、ぜひ、やってみませんか?
詳しい情報は以下の通りです。


「天北の長寿焼きサークル」
■時間
要相談
※初めての方は、作り方や道具の使い方を教えるため、日程を調整します
■場所
猿払村鬼志別北町142番地 農村環境改善センター内 創作実習室
■会費
年会費2,400円
※年の途中から入会の場合は、上半期・下半期に分けて半分の1,200円となります
■お問い合わせ
猿払村教育委員会社会教育係
電話:01635-2-3011